
何冊本を読んで学習しても水に入らないことには泳げるようにならない、まずはプールに飛び込もう!
…なんですけどね。
水に飛び込む前に、ちょっと知識として頭に入れておくといいよってことはありますよね。
または、一度水に飛び込んでみて、あれ?上手く行かない、って時に学ぶといいこととか。
といっても私はカナヅチなので(^^;
水泳のお話じゃなくって絵のお話です。
絵の技術力を上げたいな、絵がうまくなりたいな、って思ったら、頭に入れておくと描く時に役に立つ知識っていうのはあります。
知識って得ようと思うとキリがないので、私もそれこそ美大でアカデミックな教育は受けていないわけですし、まだまだ勉強しなきゃって思うことばかりですけれど…。
お互いがんばりましょう〜
って、そんなわけで「三原色」についてのお話です(^^
三原色とは
三原色とは、色を表現する時の基本になる三色のことです。
この基本になる三色を割合を変えて混ぜることで、すべての色を作り出すことができる、ということになっています。
三原色には、
減色法の三原色である「色の三原色」
加色法の三原色である「光の三原色」
があります。
減色法とか加色法とかってすごく難しくて、私はいつも頭がこんがらがるんですけど(^^;
「色の三原色」「光の三原色」ってどういうこと?っていう参考になると思うので簡単にご説明します。
色は光によって表現され、私たちが目にする光の中には、さまざまな色の成分が含まれています。
減色法とは…
さまざまな光の中の色の成分のほとんどを色フィルターや吸収物質で吸収(減色)して、特定の色の成分だけを吸収させずに反射することによって、私たちの目に色として見えるようにする方法です。
加色法とは
さまざまな光の中の色の成分のどの色も光っていない状態(黒)からすべての色が光っている状態(白)までを、色を加えていくこと(加色)によって表現する方法です。
つまり、スタートが黒、色を加えれば加えるほどに白に近づいていきます。
っていうことになります。

色の三原色
色の三原色と言うのは
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)
の三色です。
色の三原色は、印刷のインク、パソコンのプリンタのインクなど、日常的に目にする機会が多いんじゃないかなって思います。
私たちが絵を描く場合も三原色っていったら、色の三原色って言うことになります。
パソコンのプリンタのインクを思い浮かべてもらうとわかりやすいと思いますが
シアンは濃い水色のような色
マゼンタは赤紫のような濃いピンク
イエローはレモン色のような黄色
です。
※パソコンの画面の見え方などによって色が違う可能性があります。
この三色を混ぜることによってさまざまな色を作ることができますが、他の色を混ぜてこの三色を作ることはできません。
まさに、基本となる3色、なんですね。
そして理論的には、この三色を全部混ぜると黒になる、ってことなのですが、実際には絵の具のシアン、マゼンタ、イエローを混ぜてもインクのような真っ黒にはなりません。
なので、パソコンのプリンターなどは、シアン、マゼンタ、イエローの他にブラックのインクで、合計4色のインクが使われています。

光の三原色
光の三原色は、
レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)
の三色です。
※パソコンの画面の見え方などによって色が違う可能性があります。
テレビやパソコンのモニターなど、光の効果で色を表現する電子機器の画面の色は、光の三原色からなっています。
光の三原色は、混ぜると黒に近くなっていく色の三原色とは反対に、混ぜれば混ぜるほど白に近くなっていきます。
普通に絵を描く分には光の三原色を使うことってありませんよね。
でも、光の三原色を利用した絵の具は販売されています。
この絵の具自体の見た目は白、ブラックライトを当てると色が現れます。
家庭では一般的じゃないかもしれませんけど、学校の文化祭なんかで光の三原色の絵の具とブラックライトを使ってイベントしたり…って使い方をしているの見たことがあるので、案外みんな知っているかもしれませんね(^^
私は以前に壁画の仕事に関わっていた頃、光の三原色も絵の具を使うことがありました。
お店の壁面に光の三原色の絵の具で描いて、ランチタイムは白い壁、夜の営業時間はブラックライトを当てて幻想的な世界やロマンチックな空間に変身、って感じです。
塗料の見た目は全部白だったのでブラックライトを当てた状態で描くのですけど、塗れば塗るほど白に近くなる…って感覚がなかなか馴染みませんでした。
塗りすぎて白くなったら修復できないので塗りすぎちゃいけないのですけど…。
ずいぶん昔の話ですが、今思い返してみても私は光の三原色を使った絵の具は使いこなせていませんでした(^^;

絵の具の三原色
三原色には、
減色法の三原色である「色の三原色」
加色法の三原色である「光の三原色」
があります。
って書いておきながらなんで「絵の具の三原色」??
ですよね。
この「絵の具の三原色」は
赤・青・黄色
の三色になります。
※実際の絵の具の色とは異なる場合があります。
私たちが小学校で習う三原色と言えばこの「赤・青・黄色」ですね。
子どもたちが使う絵の具セットの12色に色の三原色である「シアン、マゼンタ、イエロー」って色は入っていません。
なので、子どもが使っている絵の具セットの中から三原色って言うと「赤・青・黄色」で、色の三原色と区別して絵の具の三原色と呼ぶ場合があります。
ちょっとややこしいんですけど、小学校またはいろいろなサイトなどでも
色の三原色=「赤・青・黄色」
と言っている場合もあります。
でも、絵の具の赤や青って、他の色を混ぜて作ることはできない基本となる色ってわけじゃないんですよね。
赤=イエロー+マゼンタ
青=シアン+マゼンタ
なので、色の三原色と言われるシアン・マゼンタ・イエローのように、混ぜて作ることができない純粋な色ってわけではないのです。
なので私は
色の三原色=シアン・マゼンタ・イエロー
光の三原色=レッド・グリーン・ブルー
絵の具の三原色=赤・青・黄色
って言う風に「色の三原色」と「絵の具の三原色」は分けて考えています。
もちろん、絵画教室の子どもたちが学校で色の三原色=赤・青・黄色って習っている場合は、その考えを尊重します(^^

基本になる三原色から色の世界を広げていこう
私は絵画教室で大人の生徒さんにも子どもたちにも、結構三原色の話をします。
なんで絵を描く上で三原色の知識があるといいのかって言うと、混色をするときのベースになる知識なのではないかなって思っているからです。
この場合の三原色は絵を描く上での三原色なので「色の三原色(または絵の具の三原色)」のことです。
実際のところ、絵画教室で生徒さんから
この色を作るにはどうしたらいいの?
って質問をいただくことは結構あります。
絵の具の混色って難しい
って伺うことも多いですけど、まずは基本になる三原色を知ることで色の世界は広がっていきます。
私は最初の仕事がグラフィックデザイナーで、シアン○%+マゼンタ○%+イエロー○%+ブラック○%…って印刷に出す原稿の色指定なんかを散々やりました。
そのおかげで?
たまに自分が歩いているコンクリートの色を見て、「シアン20%+マゼンタ20%+イエロー20%くらいかな」なんて考えちゃうことも…
三つ子の魂なんとやら、ですね(笑
初めて水彩絵の具を使う方は、まずは
- 透明水彩絵の具の場合…シアン・マゼンタ・イエローの三色
- 不透明水彩絵の具(ガッシュ)の場合…赤・青・黄色の三色+白
を用意して、実際にいろいろな色を作ってみるっていうのはいかがでしょうか。
「この色とこの色を合わせるとこの色になる」
「三色全部混ぜるとこんな色になる」
「不透明水彩の場合はさらに白を加えてこんな色も作れる」
三原色からその配分を変えて混ぜることで無限に広がる色の世界。
絵を描くとき、自分が思った色が作れなくて四苦八苦するよりも、こんな感じの混色であの色が作れるかな?ってほんのりとでも想像がつけば、制作がスムーズになるのではないでしょうか?
ちょっとした色の知識で、創作の時間がもっと楽しくなるかもしれませんね(^^