実物を見て描くことで絵が上達する理由

あくまでも自分の体験、それから自分がやっている絵画教室の生徒さんの上達のようすを拝見して感じることなのですが…

私は創作で描くにしても、絵の技術力を上げるには

「実物を見て描く」

ってことをした方がいいと思っています。

写真を見て描くことが悪いわけではありません。

写真を見なくては描けないものもありますからね。

旅の思い出の風景、じっとしていてくれないペット、たまにしか会えないお孫さん…

写真に撮らなきゃ描けない、ってものも結構あるんですよね。

作品作りに必要があって写真を参考にするのは全然OK…って思います。

自分で撮った写真なら著作権の問題もないですもんね(^^

「創作画を描くときの参考資料と著作権のこと」はこちら

ですけど、実物を見て描くことと写真を見て描くことはやっぱり違います。

絵の技術力を上げようと思ったら…

いつも写真を見て描くのはなくて、実物を見て描くってことをした方がいい、と思います。

ということで、今回は「写真じゃなくて実物を見て描くことで絵が上達する理由」です(^^

写真じゃなくて実物を見て描くことで絵が上達する理由

以前私の知り合いが通っていた色鉛筆画教室は、生徒さんが描きたい写真を持参していつも写真を見て描く、ってスタイルだったそうです。

他の人の絵を見て描く「模写」も絵の技術力を上げるには良い練習法だし、写真を参考に描いたり、って言うのもいいのですけど…。

絵を上達させたいと思ったら、写真じゃなくて実物を見て描くってことをした方がいい、って私は思っています。

お教室のやり方はそれぞれでいいのですけどね(^^

なんで絵を上達させたいと思ったら、写真じゃなくて実物を見て描くってことをした方がいいのか?っていうと

実物を見て描くよりも写真を見て描くほうが簡単だから

です。

実物を見て描くよりも写真を見て描く方が簡単な理由は主に2つ

  • 写真はすでに平面だから
  • 写真に撮った段階で描く場面がほぼ決まっているから

ということになります。

もちろん、絵を描く上で必ずしも写真を見て描くことがダメってことではないですよ!

実際のところ冒頭でも書いたように写真を見なくては描きにくいものもあります。

実物を見て描くにしても、静物だったら取り組みやすいですけど、外に出て風景を描く時間や余裕って、なかなか作り出せなかったりしますしね〜。

なので、別に写真を見て描いてもOKなのですが、絵の技術力を上げる練習としては、

写真を見て描くことばかりではなくて実物を見て描く

ってことを取り入れるといいのではないかなぁ、と思います(^^

ってことで、実物を見て描くよりも写真を見て描く方が簡単な理由

  • 写真はすでに平面だから
  • 写真に撮った段階で描く場面がほぼ決まっているから

の2点についてご説明します。

立体のものを平面に描くことから得るもの

まずは、写真を見て描く方が簡単な理由の「写真はすでに平面だから」についてです。

絵って平面(二次元)ですよね。

実際の風景や静物、動物、人物、などは立体(三次元)です。

実物を見て絵を描くことは

立体(三次元)を見て→平面(二次元)に描く

写真を見て絵を描くことは

平面(二次元)を見て→平面(二次元)に描く

自分で見た三次元(立体)の世界を絵という二次元(平面)に落とし込む作業の中に、難しさ+絵の技術が上達する要素があるって思います。

実際のところ描いてみるとわかると思うんですけど、同じ静物でも

実物を見て描くよりも写真を見て描く方が断然ラクに描けます。

写真を見て描くってことは、自分で立体(三次元)を平面(二次元)に脳内変換する必要なく、平面(二次元)を平面(二次元)に写し取る作業だからかな〜…

って思っています。

なので、あえて!

立体(三次元)を見て平面(二次元)に描く、ということをして、自分で見た三次元(立体)の世界を絵という二次元(平面)に落とし込む作業をしてみると、新鮮な発見があるのではないでしょうか。

私がやっている絵画教室の生徒さんでも、例えば

ご自宅で育てているお花の写真を描く

実物のお花を見て描く。

写真を見てお花を描くことと実際のお花を見て描くこと、両方体験していただくと、写真を見て描く方がいかに簡単かってことが実感していただけるようです。

じゃあ、簡単だからいつも写真を参考に描こう♪

…ではなくて、あえてハードルが高い方「実物を見て描くこと」に取り組んだ方が良い練習になりますよね。

写真に撮った段階で描く場面がほぼ決まっているから

次に、写真を見て描く方が簡単な理由の「写真に撮った段階で描く場面がほぼ決まっているから」についてですが、

実際の風景は360℃。

どこを描こうと決め、360℃の風景の中からどこを切り取るか決めるのは自分自身。

ですけど、写真の場合はすでに撮影した段階で部分が切り取られているので、その切り取られた風景を描くことになります。

写真に撮った段階ですでに構図がほぼ決まっている、って状態ですね。

静物にしても、実際の静物はどのように配置するか、どの向きから描くか、今の時間の光はどこから当たっているのか、その時々自分で決めて構図を考えて描きます。

ですけど、写真の場合はやっぱり、写真に撮った段階ですでに静物の配置も向きも光の当たり具合も決まってしまっています。

構図もほぼ写真の段階で決まってしまうことが多いと思います。

すでに切り取られた風景じゃなくて、360℃の風景の中から自分で描きたい景色を切り取り、その日のお天気や風や時間の流れの中でどこをどういう風に描くのか?

自分で構図を決めて描くことは、写真を見て描くことには変えられない学びがあるように思います。

人物や動物も同様ですね。

とは言っても、動き回る猫を描くのは難しいし、人物のモデルさんを捜すのも大変だし…

ってことで、人物や動物はどうしても写真に撮ってから描くことになってしまいますけれど(^^;

私も、飼っている猫が大人しくモデルさんをしてくれるとは思えません…。

写真を見て描くと写真の絵になる

以前にNHKの番組でスペインの画家アントニオ・ロペスの作品が紹介された時、ロペス本人が

「写真を見て描いた絵は平板で感動の失せたものになる。必ず現場で描かなければならない」

と発言していたそうです。

絵画教室でも、写真を見て描いていると

写真を描くことに一生懸命になりがち

だなぁ、って思います。(私も含めて)

写真の中のお花を描くのではなくて、写真を写し取ることに一生懸命になってしまうんですね。

だから、写真を見て描くとどうしても「平坦で感動の失せたもの」になりがちなのかな、って思います。

写真の使い方として、写真をそのまま描くのではなくて、写真を資料としてうまく活用して、写真が自分のオリジナリティを描くための手助けとなればいいですね。

それにはやっぱり、実際の風景、実際のお花、実際の小物、できれば実際の人物や動物、を描いて、立体を平面に落とし込む作業を体験した上で写真を活用した方が、写真の使い方も有意義になるのではないかなぁ、って思います。

絵の技術力向上と、創作をする上での写真の使い方

絵の技術力を向上させるための方法って、模写とか、いろいろありますよね

普段あまり実物を見て描かないって方は、簡単な小物などでもいいので実際の立体物を見て描く、ってことを体験してみるといいのでは、って思います(^^

私自身は写真は資料としてのみ使って、自分が撮影した写真でも、写真をそのまま絵にすることってありません。

あ、でも、以前に登山が趣味の生徒さんがいらっしゃいまして、よく山の景色や、山の上でしか見ることができない高山植物などを撮影されてきて絵にしていました(^^

たしかに写真だと写真以上の膨らみはないわけですが、山の上でのんびり絵を描くわけにもいかないでしょうし、自分が登った山の感動を写真に撮ってきてその写真を参考に描くって言うのはなかなか素敵な写真の使い方ですよね。

って感じで、絵を描く上での写真の使い方もいろいろあると思いますが、自分が描きたいものを描くためにも…

普段写真を見て描くことが多い方は、写真じゃなくて実物のモチーフを見て描くってことを積極的に体験してみるといいのでは?って思います☆

創作で素敵なイメージが浮かんでも、技術力が足りないばっかりに思ったように形にできないもどかしさ…

自分にがっかり、なんてこともありますよね。

…って、私はあります。

自分が表現したいものを表現できるように、これからも精進していきたいなぁ、って思います(^^