
絵を描いていて、ちょっと一息♪
コーヒーや紅茶を飲みながら描き続けて、気がついたら筆洗と間違えてコーヒーカップで筆を洗っていた!
…ってことないですか?
前に陶芸の工房へ伺った時、陶芸の先生は手に粘土がついているのをかまわずにお菓子をつまんで食べていました。
でね、
「粘土は食べても大丈夫なんですか?」
って聞いてみたところ、
「自然の土だから大丈夫」
だそうです。
でも、絵の具は食べない方が良いです!
このサイトをご覧いただいている、これから創作をしたい、創作画を描いている、って人は大人の方ばかりだと思うのでうっかり絵の具食べないとは思いますけど。
ご自分が絵を描かれていてお子さんやペットがいる方は、絵の具に毒?ってちょっと気になるところかなって思います。
…ってことで、絵の具の毒性や安全性についてのお話です☆
※日本画やテンペラなど私が使ったことない画材や一般的ではない絵の具の場合、今回の記事は参考になりませんm(_ _)m
※過剰に絵の具の危険性をうたう記事ではありませんが、安全性を保証するものではありませんので、ご了承ください。
絵の具は毒性があるの?
下記のようなマークを見たことあるでしょうか?

Saint Andrews Cross
絵の具のチューブの裏を見ると、オレンジ地に黒いバツのマークとか、それに類似したマークが記載されているのを見かけることがあります。
これは、毒性がある顔料が使われているっていう印のマークです。
子どもが学校などで使うサクラとかぺんてるの絵の具なんかは、毒性のある顔料は使われていません。
ですけど、特に子どもが使う前提ではない油絵や透明水彩、アクリル絵の具なんかは、色によって毒性のある顔料が使われている場合があります。
絵の具の顔料はそもそも金属とか天然の鉱物なんかが使われていたので、色によってその顔料のもとになる物質に毒性があれば絵の具にも毒性があるってことになりますね。
毒性があるといわれている色を挙げると
・バーミリオン
・カドミウムイエロー、カドミウムオレンジなどカドミウム系列の色
・シアン
・鉛白=シルバーホワイトなど
などがあります。
毒性の強さ、健康への影響は?
ある時絵を描いている人数人で話をしていたときのこと。
昔まだ、絵の具の原料が天然の鉱物だった頃、
絵を描きながら絵筆の先を舐めるクセのある画家が中毒死したそうだ…
昔の絵の具は毒性が強かったので、中毒により早死にした画家が結構いたらしい…
って都市伝説(?)を聞いたことがあります。
ホントかな〜??
確かに天然の原料で作った顔料だったらあり得そうですよね。
ですが、現代の国内で売られている絵の具に関しては、毒性のある物質は使われなくなったいたり、毒性はあったとしても非常に弱いそうです。
有毒性のマークがある絵の具は毒性の物質が入っているわけですが、顔料は水に不溶の物質で体内に吸収されないので、すぐに急性の中毒症状を起こすと言った被害が出ることはないと言うことです。
画材メーカーさんの情報によると、有毒性表示は「万が一の用心のための事前対応策としての表示」ということで、実際は絵の具は有毒性の低い物質なのだそうです。
ということで、うっかり口にしてしまったってレベルでは急性中毒を起こす危険性は少ないですが、慢性毒性の心配がある絵の具というのはあります。
油絵のシルバーホワイトがそうなのですが、この場合も、
長期的に継続して摂取した場合
ということです。
普通に考えて、長い間継続的に絵の具を食べ続けるってことはありませんよね!
ということで、日本国内で購入した絵の具を普通の使い方をしている分には、毒性を過剰に心配することはないのでは、と思っています。
もしどうしても心配って場合は、画材屋さんで聞いてみるか、メーカーに問い合わせてみると良いですね(^^
ちなみに、海外で絵の具を買って来た場合など、世界的に使われなくなってきているとはいえ、砒素化合物や水銀化合物の入った絵の具も極一部で使われているらしい、という話を聞いたことがあります。(過去の情報ですが…)
万が一を考えて、そういった製品を使う場合は気をつけてくださいね。

毒性がある絵の具を使うときの注意点、安全な使い方は?
絵の具は毒性が弱い物質で、ごく普通に使う分には問題ないそうです。
ごく普通って言うのは
食べたり飲んだりしない
作業が終わったら手に付いた絵の具は洗う
フェイスペイントなど人体に描く場合は専用の絵の具、または子どもが使う水彩絵の具を使う
ということですね。
このサイトを見てくださっている、これから創作画を描きたい人、創作画を描いている人は、ほぼ大人の方だと思うので、うっかり食べちゃうってことはないと思いますが、小さなお子さまやペットが口に入れてしまわないように気をつけたいですね。
さらに、絵の具の特徴や使い方によって気をつけた方が良いこともあります。
油絵の具など揮発性の絵の具を使用するときは換気をしっかりする
粉末状の画材や霧状にして使用する場合は、吸い込まないようにする
など。
粉末状の画材や霧状にして使用している方は、すでに対策をしていると思いますが、吸い込んでしまわないように工夫した方が良いですね。
私も昔壁画の仕事をしていた頃、エアブラシ使用時は粉塵マスクをしていました。
体内に取り込んでしまう可能性がある画材、使い方をされるときはお気をつけください。

体質によって気をつけたい絵の具もあります
油絵の具は乾く過程で、ごく微量のガスを出します。
このガスの揮発時にシックハウスの対象物質が微量に発生するそうで、シックハウス症候群やアレルギーがある人は注意が必要です。
私は昔は油絵の具をメインで使っていたのですけど、現在はキャンバスに描く場合はアクリル絵の具を使っています。
アクリル絵の具で描く方が好きって言うのが一番の理由ではありますけれど、強いアレルギー体質で喘息もあるため、病院の先生に油絵の具の揮発性の成分は吸い込まないようにって言われています。
私の知人の油彩画家さんは、油絵の匂いが臭いと家族から苦情が出たため、制作用の部屋をビニールカーテンで密室化し匂いが漏れないようにして描いていたらすごく具合が悪くなったそうです。
これは、絵の具の毒性の問題かはわかりませんが、油絵の具が揮発時にシックハウスの対象物質が微量に発生する、っていうことだと、アレルギーがない人にとっても身体に良いものではありません。
油絵の具を使うときはしっかり換気をしましょう。
アクリル絵の具に関しても、普通に水で使う分にはそれほど気になりませんが、下地剤とかいろいろなメディウムの中には匂いがかなりキツいものもあります。
匂いって言うのはその原因となる物質の微粒子だってことですから、密室で匂いを充満させた中にいるのは普通に考えても体に悪そうですよね(^^;
揮発性の絵の具、匂いが強い絵の具を使うときは、風通しがある部屋で描いてくださいね。

画材の特性を知って楽しい創作活動を
絵の具の毒性!って言うとなんだか衝撃的な印象もしてしまいますが、いろいろ調べてみると、
- 色や絵の具の種類によって毒性はある
- 正しい使い方をしている分には過剰に恐れることはない
ってところでしょうか。
※日本画、テンペラ画、特殊な絵の具などは除きます。
正しい使い方って言うのは、絵の具に限らずどんなものでもそうですよね。
コーヒーや紅茶を飲みながら描いていて、うっかりコーヒーで筆を洗ってしまった…
まあ、普通は筆を突っ込んだ時点で気がつくので、絵の具の入ったコーヒーを飲んじゃうってことはないですが。
ちょっとくらいうっかり飲んじゃったとしても、過剰に心配することはない
とはいえ、
絵の具を食べたり飲んだりしてはいけません!
ってことですね(^^
いくら毒性がない、またはあるとしてもごく弱い、といっても、そもそも食べるものではないですから。
保存料とかアクリル絵の具だったらアクリル樹脂とか、油絵の具なんかはめっちゃ体に悪いと思います!
ので、食べない方が良い物質がたくさん入っていると思われます。
っていうか、そもそも絵の具は食べ物ではないので、食べる前提での毒性の話って言うのも変ですね(^^;
絵の具の毒性ばかりを過剰に恐れることはないと思いますが、小さなお子さんやペットがお家にいる方は、ご自分の絵の具や画材の使い方や管理に気をつけたいですね。
あと、食べちゃうことはなくても、吸い込む可能性がある場合はお気をつけください。
現代は身の回り化学物質だらけだし、洗濯用製品や掃除用製品、殺虫剤等々、扱い方を間違えると絵の具なんて比べ物にならないくらい毒になるものばかり。
小さなお子さんやペットに配慮するって言うのは絵の具に限ったことではありませんよよね。
透明水彩、アクリル絵の具、油絵の具、などそれぞれの画材の特徴を知って、正しい使い方で楽しく創作活動をしましょう♪