
絵を構成する5つの要素「形、色、陰影、質感、量感」。
なかでもパッと見て印象に残りやすい要素と言えば「色」の効果が大きいのではないかな、と思います。
もしも「アナと雪の女王」で氷の女王になったエルサのドレスが真っ赤やオレンジだったら…
輝く太陽のイメージと聞こえてくるのはサンバのリズム?
氷のお城で1人心を閉ざしたエルサを表現するには、白か水色や青など寒色系のドレス以外は考えづらいですよね!
というわけで今回は、「絵を描く時に役立つ色の効果〜暖色・寒色」についてです(^^
暖色、寒色、中性色とは
色には暖かさを感じる色と涼しさや寒さを感じる色とその中間の色があります。
まずは下の色相環図をご覧ください。

色相環図というのは、色を段階的に変化させながら円状に並べたものです。
- 暖色…赤、だいだい、黄色などの暖かさを感じる色のグループ
- 寒色…青緑、青、青紫など、冷たさを感じる色のグループ
- 中性色…黄緑、緑、紫など、暖色寒色のどちらにも属さない色
となっています。
色相環図では、ここからここまでの色が暖色、ここからここまでが寒色、というように分けられていますが、暖色と中性色の境目や寒色と中性色の境目は、人によって微妙に感じ方だ違うんじゃないかな?って思います。
色相環図では中性色のグループに分けられることが多い赤紫ですが、私はなんとなく暖かみを感じる色だな、って感じます(^^
色相環図は三原色と純色(三原色のうちの2色を混色した色)でできていますが、三原色に白を混ぜた色にも暖色と寒色があります。
例えば…
ピンク(赤+白)=暖色
水色(青+白)=寒色
となります。
エルサのドレスは水色でしたよね(^^
暖かみのあるイメージ♪
暖色、寒色、それぞれの特徴
色を見たとき、私たちは無意識のうちにそれぞれの色から暖かさや冷たさを感じています。
暖色寒色の特徴をまとめてみると
【暖色】
- 太陽や火など、暖かさや熱さを感じさせる
- 膨張色、進出色と言われ、大きさや近さを感じさせる
- 食べ物を美味しそうに見せ、食欲を増進させる
- 時間の経過を長く感じさせる
【寒色】
- 氷や水など、冷たさや寒さを感じさせる
- 収縮色、後退色と言われ、小ささや距離を感じさせる
- 食欲が減退する
- 時間の経過を早く感じさせる
といった感じになります。
こういった色の特徴は、温度や感覚を見た目から感じるだけではなく、
「優しそうで暖かみを感じる人=暖色系のイメージ」
「理知的でクール=寒色系のイメージ」
など、人の内面を色で表現することもできますね。
以前にカウンセリングの講座に参加した時、講師だったカウンセラーの先生は「カウンセリングのときはいつも薄いグリーンのポロシャツを着るって決めている」っておっしゃっていました。
これは、相談に見えたクライアントさんに
薄いグリーン(中間色)=落ち着いた印象
でリラックスしてお話しいただけるようにとのことでした。
ちなみに私は絵画教室で子どもたちの相手をするときは、ピンクなどの暖色系を着るようにしています。
これは以前に他の絵画教室で幼児のクラスを担当していた時に、珍しくアイスブルーみたいな色の着ていたら「先生、今日なんだか暗〜い」言われたから(^^;
子どもたちを相手にするには暖かみのある色のほうが印象がいいのかな、って思って暖色系にしているんですけど。
前に洋服の上下とも明るいピンクだったことがあって…
自分のことながら林家パー子さんみたいだなって思いました(笑
涼しげなイメージ♪
絵を見た人に与える色の影響
色の影響と言うのは、暖かさや冷たさって言う印象の話だけではなくて、心や体に与える作用もあるということです。
暖色系は食欲を増進させる色、寒色は食欲を減退させる色、って聞いたことあると思いますけど、その理由としては
暖色系=交感神経に作用する
寒色系=副交感神経に作用する
ってことなのだそうです。
交感神経は主に活動している時に働いている
↓
暖色を見ることで元気が出たり行動的になる。
食欲もでる!(笑)
また赤色を見続けていると血圧が上昇する、っていう実験結果もあるそうです。
逆に、
副交感神経は主に、リラックスしているときや体を休めている時に働いている
↓
寒色系を見ることでリラックスできたり、落ち着いた気持ちになる。
食欲が減退する。
青を見続けいてると血圧が下降したと言う実験結果もあるそうです。
暖色の光☆
色の効果を創作に生かすには
よく知られてることではありますが、お店のインテリアとか商品など、色のメージはいろいろなものに取り入れられていますよね。
冬は赤やオレンジなど暖色系のファッションやインテリアで暖かみを感じさせるようにする
とか、
夏は青や水色などの寒色系を使って、涼しげな演出をする
などですね。
この、暖色や寒色の色から受ける印象をファッションなどに取り入れれば、見た人に自分が望む印象を感じてもらうこともできる、ということになります。
そう考えると、絵を描く時も自分が表現したい絵のイメージを色によって作り出すこともできるわけです。
- 暖色系の色づかいで暖かみのある絵にしよう
- 赤やオレンジを使って、情熱的で見た人が元気になる絵にしよう
- 寒色系の色づかいで静かで涼しげな絵にしよう
- 青や青緑などの色を使って、見た人がリラックスできるような絵にしよう
- 暖色でも寒色でもない中性色で穏やかなイメージの絵にしよう
- 主人公は氷の女王だからドレスは寒色系で…
という感じですね(^^
絵を描くときに自分が「暖かみのある絵にしたい」って思って描けば、自然とそう感じられる色を使っているとは思いますが…
あえて、暖色や寒色の色の効果を取り入れて、創作に生かしてみるのも良いのではないかなって思います(^^
寒色の光☆
創作のイメージを表現してくれる色の効果
暖色系の色は食欲を増進するからレストランなどは暖色系のインテリアが多い、っていうのは有名な話ですよね。
反対に、インテリアを寒色系にするとダイエットになるとか(笑
たしかに、たまに外国のケーキの写真なんかで青い着色料を使っているものを見かけますが、あまり美味しそうに見えません(個人的感想)
青系の色でおいしそうな食べ物ってアイスとかかき氷とか、涼しさが美味しさにつながる夏の食べ物が多い気がします。
このようにいろいろな影響を私たちに与えてくれる色。
おもしろいですよね!
静物画や風景画などの場合、描くモチーフによって色はある程度決まっているわけですが、創作の世界を描く場合は絵のイメージを印象づける色使いも、描く人が自由に決めることになります。
色の知識を少し知っておくとことで、自分が描きたい世界を表現する幅が広がりそうですね。
それに何より、色のことってすごく興味深くておもしろいです(^^
人の心にも深く関わっている色の世界を知って、創作に生かしたいですね☆