アクリル絵の具でキャンバスに描いたときの画面保護用ワニス(バーニッシュ)について

アクリル絵の具でキャンバスに描いたとき、仕上がり後に塗る画面保護用ワニス(バーニッシュ)。

アクリル絵の具はもともと耐久性が強い絵の具なので、必ずニスを塗らなくちゃダメ、ってこともありません。

でも、私はどっちかっていうと画面保護用ワニスの使用をオススメしています。

今回は、「アクリル絵の具でキャンバスに描いたときの画面保護用ワニスについて」ということで、画面保護用ワニスをオススメする理由についてとニスの種類などについて書いてみたいと思います(^^

画面保護用ワニスの使用目的

アクリル絵の具というのは油絵の具などと比べるとまだ新しい絵の具です。

なので、100年後200年後にどれくらい劣化するのか、またはしなのか、について実際のところは時間が経過してみたいとわかりません。

ただ、もともと壁画制作などに使われる目的で耐久性の高さを目的として作られたこともあり、油の具など昔からある画材よりも耐久性は高い、というデータのもとに作られているのだそうです。

そういえば、私が昔壁画の仕事をしていたときも使用していた画材は壁画用のアクリル絵の具でした。

で、ということだと、そもそも別に画面保護用ワニスいらないんじゃない?

って考えにもなりますよね。

ま~、別に普通に保管しているだけならニスを塗らないからどう、ってことはありません。

じゃあなんで画面保護用ワニスを使うかって言うと使用目的としては

  • 作品の保護
  • 作品完成後に質感(ツヤ)を調整し統一感を出す

ということになります。

画面保護用ワニスをオススメする理由…作品の保護について

画面保護用ワニスの作品を保護する目的としては、

  • 作品表面を傷から守る
  • 作品表面を汚れから守る
  • 作品を紫外線などから守る

ということになります。

私が壁画の仕事をしていたときは、壁画が完成した後の仕上げとして、最後は画面保護用ワニスを必ず塗っていました。

壁画の場合屋外なので必須の作業な訳ですが、普通にキャンバスに描いたときも、

  • 個展やグループ展で展示したり
  • ご自宅に飾ったり
  • 贈り物にしたり

といった作品を持ち運ぶ機会もあると思います。

また、長期間保管する場合の劣化を少しでも防ぐ意味ではニスを塗った方が良いのではないかな、と思います。

額装すればある程度傷の心配はなくなりますが、紫外線は防げません。

また、ギャラリーは禁煙ですが、ご自宅で展示する場合はご家族が喫煙する場合などは特に、保護剤を塗っておきましょう。

画面保護用ワニスをオススメする理由…作品完成後に質感(ツヤ)を調整し統一感を出す

あともう1つ、っていうか、実はこちらの方が重要だったりもしますが、アクリル絵の具の画面保護用ワニスには、

  • ツヤを出す
  • つや消し
  • 半ツヤ

など、作品が完成した後に作品の表面の質感を自分の好みに仕上げることができるのですね。

それに、自分の好みの仕上がりにできるだけでなく、画面全体に統一感が出て完成度が上がるので、この効果は見逃せません。

画面保護用ワニスの種類

各メーカーからいろいろな種類の画面保護用ワニスが販売されているので、仕上がり感によって分類すると

  • ツヤ出し
  • ツヤ消し
  • 半ツヤ

と、大まかに分けられます。

また、使用方法によって分類すると

  • 筆で塗るタイプ
  • スプレータイプ

と言うことになります。

自分に合う画面保護用ワニスを探すための試行錯誤

さて、私としては使用をオススメしている画面保護用ワニスですが、一度使用を失敗して作品を台無しにしてしまったことがあります。

作品完成後の最後に塗るものなので、やっとできたと思ったら台無しに…って、ホントがっかりでした。

私が好みの画面の質感って言うと、どっちかって言うとツヤ消し。

つや出しのニスを塗ると作品がテカテカになって自分の作品のイメージとは違うし、作品を撮影した時に表面がテカってしまうとやっかいなのです。

でも、完全にツヤ消しのニスを使うと色が沈むような感じがあって、ツヤ出しとツヤ消し混ぜ合わせて実験してみたり…

いっそ画面保護用ワニス塗らない方が良いんじゃないかな、って悩むときもありました。

最後の最後に絵が台無しになった私の失敗例

なかなか気に入るワニがない展とはいえ、個展の時に額装しないでキャンバスのまま展示する予定だったので、完成したある作品にツヤ消しのニスを塗りました。

そしたら…

作品の表面が白く濁ってしまったのです…

がーん…

やっと仕上がったと思ったのに、なんで?

ということで、メーカーに電話して原因を聞いてみたところ、

ツヤ消しタイプのニスのツヤ消しの効果は、超微粒の粉末を混ぜることによって出しているのだそうです。

で、私の描き方が、下地のジェッソを塗り、その上にアクリル絵の具(ガッシュ)を薄く何度も塗り重ねる塗り方だったので、我慢の絵の具の層に吸水性があり、ツヤ消しニスの水分だけが絵の具の層に吸い込まれて超微粒の粉末だけが免状に残ってしまった、

のではないか?ってことでした。

ついでに絵の具を落とさずに保護剤だけを剥離する方法を聞いてみたのですが、アンモニアで落ちるってことでした。

ってことで薬局へ行ってアンモニア購入!

強烈な匂いに涙しながら絵の表面を拭いてみたのですけど、結局保護剤だけではなくて絵の具も若干落ちてしまい…

その絵は泣く泣く捨てました。

すごいアンモニア臭でしたしね(^^;

ちなみに、現在は表面の保護剤だけを剥離する溶剤も販売されています。

試行錯誤のすえ現在のお気に入りは

作品保護の観点からだけではなくて、仕上がり後の質感や使用感から選んだ最近のお気に入りは

半ツヤでスプレータイプの

ホルベイン スプレー式 サテン バーニッシュ(半つや・画面保護用ワニス) です♪

  • テカりすぎない上品なツヤ
  • ツヤ消し効果で色が沈むこともない
  • スプレータイプだと刷毛で塗った後に刷毛の抜け毛が作品にくっついていて慌てる…なんてこともない

今のところ自分的にはベストですね。

ツヤありが良いか、ツヤ消しが良いか、または半ツヤが良いか、っていうのは描く絵のタイプやタッチによると思います。

私はツヤありタイプの画面保護用ワニスは好みではないけれど、光沢感がマッチする作風もあると思います。

あれもこれも試すってわけにも行かないかもしれませんが、作品を保護するだけではなくて、完成後の質感を左右する画面保護用ワニス。

自分の作風に合うタイプを見つけて使ってみるといいのではないかな、って思います(^^