アクリル絵の具を透明水彩絵の具のように使う場合

私は主にアクリル絵の具と透明水彩絵の具で制作をしています。

どちらも水性の絵の具ですが、まったく違う性質もあれば、似たような使い方ができることもあります。

どちらもとっても魅力的な画材ですね(^^

アクリルの具って油絵風にわりとこってり着色する印象が強いかなって思いますがそれだけではありません。

透明水彩絵の具のようににじませたり、淡彩風の着色をすることもできます。

ただ、かなり違った特性を持っているアクリル絵の具と透明水彩絵の具なので、それぞれの特徴や違いを理解した上で使った方がいいと思います。

…ということで、今回は「アクリル絵の具を透明水彩絵の具のように使う場合」です♪

アクリル絵の具で透明水彩風に描くメリット

透明水彩風って、別に透明水彩風に描きたかったら透明水彩で描けば良いんじゃない?

って、その通りなのですが(笑

私は透明水彩を使っているんですけど、アクリル絵の具で透明水彩風の使い方をするときがあるのです。

たとえば…

以前にイラストの仕事で同じ絵を、透明水彩とアクリル絵の具で2枚着色したことがあります。

制作内容は「金運が良くなる龍のイラスト」で、たしか、金運財布の広告のためのイラストでした。

ラフ画のOKがでて、透明水彩で着色しました。

着色画材に透明水彩を選んだ理由は、龍が空を飛んでいるイラストの背景の空をにじみで表現したり、龍のまわりの輝きが自然に空の色に馴染むようにぼかしたかったから…

ですが!

着色し終わって提出して、依頼元であるデザイン会社さまからは一発OKだったのですが…。

クライアントである金運財布の販売会社さまからご意見が出て、描き直しになってしまいました…。

クライアントさまからのご要望は、

色彩をもっと鮮やかにして欲しい

ということでした。

う~ん。

金運ですからね(^^

ちなみに、空を飛んでいる龍のまわりには光り輝く小判が舞い散っているイラストだったので、たしかにもっと派手な色彩でもいいのかも…

ってことで、下絵のデザインはそのままで、アクリル絵の具で着色をしました。

透明水彩絵の具のようににじみやぼかしを使うことができるし、色彩的には透明水彩よりも発色が鮮やかだからです。

同じ絵ですが、着色画材をアクリル絵の具に変えた2回目の提出では、無事OKになりました(^^

ということで、場合によってはアクリル絵の具を使って透明水彩風に描くことで、透明水彩のようなにじみやぼかしを使いながら、より鮮やかな発色で描くことができます。

ですが、それぞれ違った特性を持つ絵の具なので、アクリル絵の具と透明水彩絵の具の特徴や違いを知っていたほうが、より効果的な使い方ができるんじゃないかな、と思います。

アクリル絵の具の特徴

アクリル絵の具は顔料とアクリル樹脂を混ぜて作られています。

アクリル絵の具の主な特徴としては

  • 水溶性の絵の具である
  • 乾くと耐水性になる
  • 速乾性である
  • 紙、キャンバス、木材、石、などさまざまな素材に描くことができる
  • メディウムを使うことによって、幅広い表現が可能である

といった感じです。

自由な使い方で幅広い表現が魅力の絵の具ですね!

たっぷりの水を使って紙に描けば、透明水彩風の描き方もできます(^^

透明水彩絵の具の特徴

透明水彩絵の具は顔料とアラビアゴムを混ぜて作られています。

透明水彩絵の具の主な特徴としては

  • 水溶性の絵の具である
  • 顔料の粒子が細かいので顔料の隙間から紙などの基材が透けて見えて透明感のある着色が可能である

使い方の特徴として

  • 絵の具の「白」は使わない
  • 白は紙の白を生かす
  • 色の濃淡は白を使わずに水の量で調整する
  • 一度濃い色を塗った上から薄い色を重ねても、薄い色を表現することはできない

と言ったことになります。

描く素材は主に紙、特に透明水彩絵の具の場合は画用紙ではなくて、水彩紙を使います。

アクリル絵の具を透明水彩のように使う場合

それぞれの特徴を読んでいただいても、アクリル絵の具と透明水彩絵の具ってだいぶ違う、って思われると思いますが、共通点としてはどちらも水性の絵の具なんですよね。

アクリル絵の具って言うと何にでも描ける特性から、キャンバスなどに油絵のように描いたり、木材やガラスなどの素材に描いたり、子どもさんが工作の着色に使ったり…

という結構こってり塗る使い方を思い浮かべる人が多いのではないかな、って思います。

でも、もちろん紙にも描けます(^^

多目の水で溶いて紙に描けば、透明水泳絵の具で描いたようににじみやぼかしを作ったり、透明感のある着色をすることもできます。

ただ、アクリル絵の具で透明水彩絵の具のように描く場合に気をつけたい、特徴の違いとして

  • アクリル絵の具は速乾性である
  • アクリル絵の具は乾くと耐水性になる

というのがあります。

絵の具をにじませることはできますが、速乾性という特徴から、にじみ具合は透明水彩絵の具とは違います。

また、透明水彩絵の具は一度塗った後に色を落とすこともできますが、アクリルの具は乾くと耐水性になるので、一度塗って乾いたら絵の具は落とせません。

あと、アクリル絵の具で透明水彩風に描きたい場合は塗りすぎ注意!

透明水彩絵の具は塗り重ねても透明度は失われませんが、アクリル絵の具は塗り重ねすぎると、色によっては透明感が失われたり、表面が膜ができたような感じになってにじみづらくなります。

アクリル絵の具は絵の具をこってり厚めに使うことで油絵のように描くことができるわけですが

薄く塗っていても何度も塗り重ねれば絵の具の層は厚くなるので

水彩風ではなくなってしまうのですね。

なので、速乾性である、乾くと耐水性になる、という特徴をわかった上で、アクリル絵の具の発色の良さをいかせるといいですよね(^^

それぞれの特徴の違いを知って使おう♪

今回は、アクリル絵の具を使って透明水彩風の着色をする場合、について書いてみました。

私にとっては透明水彩って特別に大好きな絵の具なのですけど、アクリル絵の具の発色を生かしたいな〜ってときもあって、あえてアクリル絵の具を透明水彩風の使い方をすることもあります。

でも、透明水彩のように…って言っても、透明水彩とはにじみの感じが違ったり、乾くのが早い分むずかしかったり。

特性的にはかなり違うので、特徴の違いを知った上で自分の作品に生かした使い方ができるといいですよね!

私も透明水彩絵の具とアクリル絵の具、それぞれ楽しんで使っていきたいと思います(^^