
前に、「アクリル絵の具の特徴と魅力」って記事を書いたのですけど、この時はアクリル絵の具の性質や種類や特徴など、画材の一般的なお話がメインでした。
今回はアクリル絵の具でキャンバスに創作画を描くときの、もうちょっと具体的な内容について書いてみたいと思います(^^
私はアクリル絵の具で描くとき、紙に描くときもありますけれど、キャンバスに描くことが多いです。
紙に描くのとはまた違った質感、何度も塗り重ねて描く色の深み…
同じアクリル絵の具でも、描く媒体によって作品の魅力もまた変わってきます。
っていうことで、描き方は人それぞれって部分もありますけれど、ご参考になれば幸いです(^^
アクリル絵の具でキャンバスに描く
まずはキャンバスのお話から。
キャンバスって言うのは帆布のことです。
絵を描くときに使うキャンバスだけではなくて、キャンバス地のトートバックとか、ありますよね?
キャンバスは主に麻の繊維から作られていますが、合成繊維などで作られているものもあります。
布の状態でロールで売っているものもありますが、キャンバス枠に貼った状態で各サイズ販売されています。
私が購入してるのも最初からキャンバス時を貼った状態の「張りキャンバス」です。
張りキャンバスの布地には麻以外にも種類があって、アクリル絵の具用の合成繊維のキャンバスなどもあります。
麻のキャンバスと合成繊維のキャンバス、両方使ってみたことありますけど、布地の目の感じの違いで、私の好みとしては麻のキャンバスのほうがいいかなって思っています。
アクリル絵の具と油絵の違い
キャンバスに描くって言うと油絵の具の印象が強いですよね。
油絵の具もアクリル絵の具もキャンバスに描くことができると、って言っても、油絵とアクリル絵の具には大きな違いがあります。
一番の違いは
油絵は油性の着色画材
アクリル絵の具は水性の着色画材
ってことですね。
水と油!
油絵は油性なので、ペインティングオイル、筆洗油など、絵の具を溶いたり筆を洗うのも油性の溶剤です。
アクリル絵の具は水で溶いて、水で洗うことができます。
水で扱えるっていうのは、アクリル絵の具が扱いやすい理由のひとつですね(^^
↑これは油絵の道具
アクリル絵の具で描くときの手順
アクリル絵の具で描く場合、いろいろなメディウムで下地を作ったり…
描く人によって、その時々の制作によって、手順は違います。
なので、手順って言ってもいろいろだとは思いますが…
初めてキャンバスにアクリル絵の具で描いてみるんだけど、何からやったらいいの?
って人に向けて、参考までに一例としてご紹介します。
キャンバスに下地剤を塗る
↓
下地がしっかり乾いたら木炭で下絵を描く
↓
木炭を雑巾などで軽く落とす
↓
アクリル絵の具で着色する
↓
着色が終了してしっかり乾いたら保護剤を塗る
私はこんな感じで進めています。
めっちゃ簡単に書いていますが、私の場合「アクリル絵の具で着色する」ってところは結構時間がかかります。
筆が遅いので…(^^;
ちなみに、別に下地を塗らなくても描けるし、木炭がなければ鉛筆や絵の具の薄い色で下絵を描いてもいいし、完成したあとの保護剤も塗らなきゃいけないってことでもないです。
まずは気軽に始めたい!って人は、キャンバスとアクリル絵の具さえあればOKですよ!
アクリル絵の具でキャンバスに描くときの道具
筆
油絵でキャンバスに描くときは油絵用の筆で描くわけですが、では、アクリル絵の具でキャンバスに描くときは?
っていうと、特にアクリル絵の具用の筆が決まっているわけではありません。
ただ、アクリル絵の具は水性だから水彩絵の具用の筆かって言うと、
アクリル絵の具は筆が痛みやすいので
水彩絵の具用のセーブルやらリス毛やらの高価な筆は使いません。
じゃあ、キャンバスに描くんだから油絵用の筆を使うのかっていると、やっぱり動物毛の筆ではない方がいいです。
筆が痛んでもいいよって人は別ですが…
私は小学生が不透明水彩絵の具を使う時に使う、アクリル筆を使っています。
パレット
アクリル絵の具は乾くと耐水性になる絵の具なので、一度固まってしまうと専用の溶剤を使わないと落ちません。
なので、パレットは紙パレットや、100円ショップなどで売っている使い捨て容器を使うと良いです。
紙パレットってすごい昔には100円ショップで売っていたんですけど、今は販売していないですね。
また販売しないかな〜
あ、牛乳パックの空き容器を開いてきれいに洗っておけば、紙パレットの代わりになりそうですよね(^^
下絵用の木炭または鉛筆、ねり消し
キャンバスに下絵を描く場合、私は木炭で描いて、木炭を消すのはねり消しです。
木炭が購入できない場合、濃いめの鉛筆で下描きしてもいいのですが、木炭よりも消えづらいし、何度も描いたり消したりしているうちにキャンバスの表面がテカテカして鉛筆が乗らなくなるので、私は木炭の方が使いやすいと思います。
筆洗
アクリル絵の具は乾くと耐水性になるので、筆洗に絵の具が付いた場合もアクリル絵の具が乾いてしまうと洗っても落ちません。
アクリル絵の具を落とす用のクリーナーなどを使うと落ちます。
でも、筆洗などは100円ショップなどでも購入できるので、私はアクリル絵の具が付くのは気にしないで絵の具付きのカラフルな筆洗を使用しています(^^
その他
その他あると便利なものとしては
雑巾、ティッシュ、紙コップ(多目の絵の具を使う時に使う)など
特別にアクリル絵の具用の道具ってことじゃなくて、「水性である」「乾くと耐水性になる」っていう特性を考えて使えば何でもいいと思います。
100円ショップなどで変える使い捨てできる容器、牛乳パックの空き容器、きれいに洗ったお弁当の空き容器、なんかを使うのも全然ありかもしれません(^^
下地について
キャンバスに描く場合、下地剤を塗らなくても描けますが、下地剤を塗った方が定着が良くなったり発色が良くなったりするので、私は下地剤を使っています。
下地剤もいくつか種類がありますが、私は定番の(?)下地剤ジェッソの中目を好んでいます。
ちなみに、ジェッソは白だけではなくてカラーのジェッソもたくさん売られています。
仕上げの保護剤について
アクリル絵の具でキャンバスに描いて完成したら…
私は保護剤を塗っています。
保護剤にはアクリル絵の具で塗った表面を保護する役割の他に、光沢を出すタイプ、つや消しタイプなどあって、完成後に表面の質感を好みの状態にすることができます。
保護剤のタイプは筆で塗るタイプの他に、スプレータイプもあります。
私が最近好んで使っているのは、ホルベイン サテンバーニッシュのスプレータイプです。
半ツヤタイプでサテンのような光沢感がでます。
以前から保護剤のつやは悩むところで、光沢でテカテカにしたくない、でも、つや消しを使うと描き方によっては白濁する感じで使えない…
って、悩んでいたところ半ツヤタイプのサテンバーニッシュを発見し、気に入って使っています(^^
あと、前はスプレータイプじゃなくて筆や刷毛で塗るタイプを使っていたのですけど、保護剤が乾燥したあとに思わぬ場所に刷毛の抜け毛が張り付いていたりして…
あとからショックを受けることがあります(笑
最初はスプレーの加減が難しいような気もしましたけど、慣れるとスプレータイプが便利です♪

創作画の世界を広げるアクリル絵の具
アクリル絵の具の気軽さって、水彩絵の具のように描き直しが難しい画材ではなくて、油絵のように上からがんがん塗れちゃうところ。
それに、乾くのが早いし、水性なので扱いやすい♪
シンプルな使い方からさまざまなメディウムを使った幅広い表現まで、創作の世界が広がるところが大きな魅力ですね。
紙に水彩絵の具風の使い方もできるアクリル絵の具ですが、キャンバスに描くのもまた違った味わいです(^^
キャンバスは紙に描くよりも丈夫なので、何度も塗り重ねたり厚塗りしたり、じっくり時間をかけて描き込む制作ができたり…
そうかと言えば、キャンバス地を生かした軽いポップな仕上がりの作品なんかもまた楽しいし。
使う絵の具の種類や描く素材によっても創作の世界は広がりますね。
小さいキャンバスにアクリル絵の具で描いて、気軽に飾ったり贈り物にしたり…
なんていうのもいいんじゃないかな〜って思います☆
あなたの創作の輪が広がりますように…